日経平均上がりすぎ?「靴磨きの少年」の話から考える。

2023年5月19日、ここ数日続伸している日経平均株価は、前日比234円42銭高の3万808円35銭で取引を終えました。ちなみに、この日の寄り付きは3万847円バブル以来の最高値を更新

投資歴4年半の私も、投資下手で長らくマイナスだった持株が大きくプラスになって嬉しさ半分戸惑い半分で、どう取引を進めたらよいか迷う今日この頃です。

筆者はコロナショックの起こった数ヶ月前の秋に個別株投資を始め、コロナの大暴落で仕事も手に付かないほど落ち込んだ経験者です(笑)
あの時は本当につらかった・・・。

そんな時、ふとコロナショックで含み損が大変だった時に自分が書いた投資の逸話に関する記事を思い出しました。久々に読んでみたら暴落の時とは違う視点で読めて面白かったので、加筆修正して掲載することにしました。

投資にはいくつもの格言や逸話がありますが、これは「靴磨きの少年」として知られているお話。

現実的な分析とは違いますが、今の相場との向き合い方で悩んでいる投資初心者の方に分析とは違う視点でお届けできたらと思います。

目次

靴磨きの少年の話とは?

これは、1929年10月24日(木曜日)に起きた、大恐慌の始まりとなる米国株最初の大暴落の時のお話です。

逸話の主は、ジョセフ・P・ケネディ氏。第35代米国大統領ジョン・F・ケネディのお父さんで、巨大な資産をバックグランドにした民主党の有力政治家だった人です。有名な投資家でもあり、株式や不動産で莫大な富を築き上げました。

そんなパパケネディ、1929年の大暴落を予期して、事前に全ての株を売り払って難を逃れました。それにはこんなエピソードがあるそうです。

1928年の冬のある日。

その時まで株式投資で大儲けをしていたパパケネディは、オフィスに向かう途中で、靴磨きの少年に靴を磨いてもらいました。

靴を磨き終わった後、その少年はパパケネディに向かってこんなことを言ったそうです。
「おじさん、〇〇株を買いなよ。」

それを聞いたパパケネディは、
「こんな少年までが株の儲け話をするなら、この後に株を買う人はいないから株式は暴落する!」
と考え、すべての株式を売り払ったそうです。

そうして、世界恐慌の難を逃れました。

この逸話、株式の世界では有名な話として知られています。

「本来なら投資を絶対しない人が投資を勧めてくるような時は、バブルの天井を暗示している」という教訓ですね。

「靴磨きの少年」と似た話は現実にもある。

この話、実はパパケネディの作り話で、実際にはパトロンのガイ・カリアの「株式市場はそろそろ危ない」という忠告に従ったものだったといわれています。

けれど、色々調べてみると、現在もこれが株式の世界で有名な話とされているのは、ただの作り話とは言っていられない理由があるからだと考えさせられることも。

今回は、そんな経験談を2例紹介します。

❶ライブドアショックの話。

ライブドアショックの前、新聞やテレビなどのメディアは株式投資の話題で持ちきり。

主婦の間で投資が流行り、小中学生までもがデイトレードで株式投資を始めている、などと連日メディアが報道していたようです。

私は高校生でしたが、恥ずかしながら無関心で、暴落まで気にも止めませんでした。

この空前の株式ブームの最中、株式相場は過熱気味で非常に危険な状態にあったらしく、その後ライブドアショックにより株価は暴落してしまったそうです。

仮想通貨市場の大暴落の話。

あるブロガーの方の経験談より。

ある時、株もFXも全く知らない友人が仮想通貨を始めたと熱く語ってこられたそうです。その方は一瞬靴磨きの少年の話が頭をよぎったそうですが、仮想通貨を盲信していたがために「まさか」と思ってしまったとのこと。

けれど、その約1週間後に仮想通貨市場は大暴落を迎えることになってしまったそうです。

このように「本来なら投資を絶対しない人が投資を勧めてくる」というのは、相場が盛り上がり過ぎているからだと考えることができます。

そして、そこには相場が加熱し過ぎていて崩壊する危険性を含んでいる、という見方も必要だと言えると思います。

自分に置き換えてみる。

さて、コロナ禍で絶賛落ち込み中の私がこの逸話を知って真っ先に思ったのは、「靴磨きの少年=自分だ」ということでした。

その頃の考察をご紹介します。

〜コロナ禍の大暴落に巻き込まれた超初心者だった2020年頃の私の考察〜

「靴磨きの少年」の話にある「本来なら投資を絶対しない人」は、他ならぬ私だと思いました。

私が株を始めてめてみようと思ったのは、家族がその1年前から始めていたからですが、慎重派の私でも家族の成功談と浅い知識で見た株のチャートから「儲かるかも」と軽く考えてしまったのです。

自分で言うのもなんですが、ケチで慎重派で石橋を叩いて叩いて渡らない私が「つい」株に手を出してしまったと言うのは、「本来なら投資を絶対しない人」が手を出したくなるような盛り上がり相場だったのだなぁと今更ながらに気付きました。

今更反省しても遅いのですが、自分を冷静に見られていなかったことが悔やまれます。自分では、自分で考えて生きているつもりでも、それは社会の中の自分。

世の中、いつ何が起きるかわかりません。広い視野で社会を見て生きていけるようになりたいと思います。

「靴磨きの少年」の話、今どう考える?

最近の株価高騰についての見方は諸説あります。

急激な上昇であるため「上がりすぎ」「そろそろ調整による急落があってもおかしくない」という見方がある一方、「これまでの日本株が低すぎで、適正に評価されはじめているからこその上昇」といった見方もあるようです。

では、どう考えればいいのか。

それは、チャートだけを眺めて一喜一憂するのではなく、上昇も下落も含めた色々な可能性を考えながら冷静に自分を見つめ、自分の軸で投資を進めることだと考えます。

また、今は「靴磨きの少年」の話も無視できない状況だと感じます。

ここ数年で、私も含めて一般人で株取引をする人間は非常に増えています。その上、最近の上昇で興味を持ち始めている人もさらに増えているとのこと。

過去の私と同じように「なんとなく儲かりそう」という気持ちで手を出してしまう人も多い今は、株式市場が金接木だという見方もできるのではないでしょうか。

だからこそ、このまま上昇してほしいという願いは持ちつつも、警戒感を忘れてはいけないと思います。

過去の私の失敗は、「欲をかきすぎた」ことでした。

上昇しているとさらに利益を追求したくなりますが、タイミングを逃すとその利益すら無くして大きな損失を抱えかねないのが株式投資です。

いいことばかりを盲信せず、「靴磨きの少年」の話も頭の片隅において、冷静な目で取引をしていきたいものです。

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